概要
建築物の設計から施工そして運営に至るまで、建築にまつわる包括的な事業を展開するdot architectsと、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)環境情報学部 松川昌平研究室が連携して取り組む新たなプロジェクト。テーマは「生きる建築」とし、水・エネルギー・ゴミ・食木・土・アート・開口部といった8チームに分けてリサーチを進める。現在の社会を支えているインフラや建築自体を循環系の中で考え直し、未来の「生きる建築」の在り方を模索しながら社会における新たな生活基盤の研究を行い、研究過程では、学生らが考えるインフラに関する機構設計と検証のため、山中に小屋を設置した。
研究プロセスと成果は東京都美術館で開催された学内選抜展「KUAD ANNUAL 2020」にて発表し、トークイベントも実施した。
生きる建築
私たちの生活はあらゆる生活基盤にアクセスすることで成立しています。しかしそれらはどこから来てどこへ行くのでしょう。このような生活基盤の見えない部分をリサーチし、そのマクロな構造を明らかにしたいと考えます。それは中央集権的に成立し、様々な災害や紛争により寸断され機能停止に陥ってしまうのでしょうか。また、この構造を循環の観点から過去と比較し、循環系の一部としての「生きる建築」を提案したいと考えます。これは情報環境のネットワークを前提にした生活基盤、それを成立させる共同体の実現を模索する試みです。
活動期間
2019年5月 – 2020年3月
活動内容
学内選抜展「KUAD ANNUAL 2020」
2月23日から26日までの4日間、東京・上野の東京都美術館で京都造形芸術大学の選抜展「KUAD ANNUAL2020」が開催された。今年で3回目を迎える2020年度のテーマには「フィールドワーク:世界の教科書としての現代アート」が掲げられた。New Villagescapeは、これからの時代をどう生きていくか、社会の新しいインフラや共同生活のかたちを研究した作品で、単にプリミティブな昔の生活に戻るということではなく、様々な最新技術や素材を使いながら、未来の暮らし方の提案を行った。